Basic Apparel(ベーシックアパレル)と「GOTS認証」
Basic Apparel(ベーシックアパレル)と「GOTS認証」
オーガニック繊維製品のための世界基準「GOTS(ゴッツ)認証」。GOTSのラベルが貼られた製品には、どのような意味があるのかを解説します。
【オーガニック繊維世界基準】
Global Organic Textile Standard
(GOTS)
オーガニックテキスタイル世界基準(GOTS)とは、有機栽培された原料を使用し、環境的および社会的基準に基づいた製品であると認証する国際的な繊維加工規格です。
GOTS 認証は、次の①~④に基づいて構成されています。
①オーガニック繊維
②環境的及び社会的基準
③すべての処理段階(サプライチェーン)
④第三者認証
①有機繊維
GOTS認証が付いた繊維製品には、少なくとも70%の認定オーガニック繊維が含まれている必要があり、ラベルのグレード(等級)が「オーガニック」の製品には、
少なくとも 95%の認定オーガニック繊維が含まれている必要があります。
オーガニック繊維とは、有機農業の原則に従って、合成農薬(殺虫剤など)、除草剤、GMO(遺伝子組み換え生物)を使用せずに栽培された天然繊維の事を指します。
有機農業とは、生態系、土壌、人々の健康を維持する生産プロセスです。
オーガニック繊維栽培の基準に関しては、各国政府によって定められています。
その為、オーガニック繊維世界基準(GOTS)には、オーガニック繊維栽培の基準は定められていません。
②環境及び社会的基準
持続可能な繊維産業を実現するために、オーガニックテキスタイル世界基準(GOTS)は環境と社会の両方の基準に基づいて繊維の加工と製造を評価しています。
これは、使用される化学物質の投入から労働者の倫理的な扱いに至るまで、あらゆるものを評価することを意味します。
この規格は、少なくとも70% の認定オーガニック繊維で作られたすべての繊維製品の加工、製造、包装、ラベル貼り、取引および流通を対象としています。
GOTS ラベル グレード(等級)は 2 種類あります。
(1)「オーガニック」・・・少なくとも 95% の有機繊維を必要とします。
(2)「オーガニック素材で作られた」・・・ 70% の有機繊維を必要とします。
加工と製造の主な基準
〈環境的基準〉
従来の繊維製品との区別とオーガニック繊維製品の識別
GOTS 承認の着色剤およびビルダー(助剤)は湿式処理のみでの使用
処理装置は廃水処理を含む環境管理を実証する必要がある
完成品の染色堅牢度および収縮率に関する技術的品質パラメータが必要
付属品の制限
追加の繊維材料の制限
環境負荷物質 投入の禁止
化学物質投入時の毒性と生分解性の評価
〈社会的基準〉
この基準は、主要な社会的持続可能性(サステナビリティ)基準と同等の労働条件および社会的条件に関する要件を定めています。
GOTS社会基準は、国際労働機関(ILO)、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)、
経済協力開発機構(OECD)の主要な規範に基づいており、
すべての加工業者、製造業者、および製造業者がこの基準を満たさなければなりません。
自由な雇用選択
結社と団体交渉の自由
児童労働の禁止
差別禁止
労働安全衛生 (OHS)
ハラスメントや暴力の禁止
報酬と生活賃金格差の評価
労働時間
不安定雇用の禁止
移民労働者
③全ての処理段階
(サプライチェーン)
GOTS認証システムは、繊維サプライチェーンの最初の加工ステップから始まります。 生地(テキスタイル)の加工とは、繊維から糸を作り、糸から生地を作る一連の流れを指します。 たとえば、綿の場合、綿繰りは最初の加工段階であり、綿球から種子が取り除かれます。 オーガニック繊維の栽培、つまり初期生産は、IFOAM 基準ファミリーで承認されている国際または国内の有機農業基準の対象となります。 オーガニック繊維の加工、製造、取引のすべての段階がGOTSに基づいています。 製品にGOTSラベルを付けるには、すべてが厳しい環境的および社会的基準に従って認証されなければなりません。 このようにして、GOTSはグリーンウォッシング(環境配慮をしているように装いごまかす事)を撲滅していきます。
④第三者認証
オーガニック テキスタイルは有機繊維に基づいており、GOTS認証はオーガニックテキスタイルの加工、製造、取引を対象としています。 繊維生産の認証は、国際有機農業運動連盟(IFOAM)規格ファミリーで承認されている認められた国際規格に基づいており、 加工業者、製造業者、貿易業者の現場検査と認証は、独立した第三者のGOTS 認定認証機関によって行われています。
記事参照及び引用: Global Organic Textile Standard (GOTS)